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トピックス(独り言)

 

うさぎ

*きゃしゃな下顎

ここで誤解して欲しくないのは、歯並びが悪いことイコール殆どの場合『かみ合わせ不良』です。 しかし、歯並びが良いイコール『かみ合わせ良好』とはならないことです。
歯並びには殆ど問題は無いのに『かみ合わせ不良』の症例もかなりあるのです。
よく子供の歯並びを気にするお母さんから『顎を大きくするには固いものをよく噛ませればいいですか』『どんな食べ物を与えればいいですか』 『何回噛ませれば良いですか』
などと質問されます。 その時は知っている限りお答えしますしお母さんも真剣に聴かれお子さんに固いものを与え良く噛むように指導されておられると思います。
しかし1年後あるいは2年後お子さんを見ると成長に大きな変化がなかなか認められません。 固いものを与えても、もう既に噛めなくなっていて、噛まなくて顎が成長しないのか、
少々固いものを噛んでも、遺伝的あるいは後天的に他の原因で成長は決まっていてあまり変化が認められないのでしょうか。 本当のことはまだまだ解りません。
ただ救われる事は、現在は歯列矯正の技術が進んでおり歯列不正や『かみ合わせ不良』も治療が出来るという事です。 ただし、時間とお金は必要ですね。
ここで、家畜のブタと野生のイノシシを比較してみて下さい。
イノシシを家畜化して育てたのがブタなのです。 図を見てお分かりになるように、ブタは顎骨が短くなっており、それと共に顔面が短くなっているのです。
イノシシが、飼い慣らされ、人間に飼料を与えられ、野生を忘れ変化したのが、ブタなのです。 食生活の大きな変化によって安全が確保され、野生動物として生きていく必要が無くなった時に、それまで自分を守る武器であったり、獲物を捕る為の道具である牙が退化し、敵や獲物を感知する鼻や耳までも小さくなりたぶん、全ての野生で生きていく為の五感が退化していると思われます。
この事が今の『人間』にも全く当てはまっていると思います。
しかし、イノシシがブタに変化するまでには、かなり長い時間を通しての変化であり、今の『ヒト』が経験している急激な食生活の変化に『ヒト』は、はたして肉体的にバランス良く対応出来ているのかが非常に心配な問題なのです。

*遺伝子にのらない遺伝?

生物はそれぞれの遺伝子を持っています。 最近の研究で、チンパンジーとヒトの遺伝子は98%以上同一であとの2%以下の違いでこれだけの違いが生じているわけです。
さて、さきほど述べたように、少々固いものを噛んでも、顎の成長が目に見えて大きくならないのは、ある程度遺伝的に決まっているのではないかと大胆にもふとどきにも、最近考えるようになってきました。
遺伝子に詳しい方にお聴きしたところ、遺伝子のDNAにはアデニン(A)・グアニン(G)チミン(T)・シトシン(C)の4つの塩基がありこれらの莫大な量の組み合わせで遺伝子が決定されます。 ちなみに遺伝子の一つの単位として『ゲノム』が有りますが、ヒトのゲノムは塩基数にして約三十億個も有ります。 【遺伝A29p】これらの一塩基対の変異が起こるのに、何十万年もの時間がかかります。 【サルB291】
それがここ30年で、日本人の体が大きく変化して来ているのです。
身長は伸び、頭は小さく、顔面は小さく、首は細く長く、胴は短く、足は長く。
戦後、食生活や生活様式の大きな変化は確かに有りますが、後天的影響をまだあまり受けていない1~2歳の赤ちゃんでさえ明らかに変化が見られるのです。
もちろん胎児が母体の中で受ける栄養や新生児の時の栄養、離乳食の違いは確かに有りますが、それ以上の変化を感じずにはおれません。
実際にデーターを取っているわけでは無いのですが、そう感じずにはおれません。
またまた私の勝手な想像ですが、もし遺伝子に組み込まれるのが時間的に無理とすれば、35億年の生物進化の過程と、その上にたつ人間の進化の中でもう既に組み込まれており30年前は何らかの条件で表に出てこなかった遺伝情報が今は表に出てしまった状態と考えてはどうかと思います。
何十億と言う塩基配列のうち形質として表に出てきているのはほんの数%であるということで、あとは私たち人間の祖先が培ってきた色んな環境に対応出来るよう遺伝子のなかに貯金してあったのではないかと思います。
こんな風に考えているとき、筑波大学の村上教授のお話を聴かせて頂いて、さらに確信をして来ました。
『人の遺伝子の大部分は、実際にオフの状態になっていて、ある条件が揃うと、オンの状態となって、色んな遺伝情報を発現し始める』との事です。 私が常々思っていた事を、素晴らしい学者である、村上先生からお聴きして、感動した事を思い出します。
この遺伝子のオン・オフは、なにを条件にして、発生するのかが、大きな問題となってきます。
私は、ヒトはある環境に最大限に適応できるように、ある意味、合理的に進化あるいは遺伝子のオン・オフが進んでいくと思います。 この進行は、環境がある程度、ぎりぎり許容できる範囲の場合だとある程度正常に進行すると思いますが、今の私たちを取り巻く『顎』
に関する環境は、正常なのかと言う問題が解決できません。
今、ほとんどの方が持っている『かみ合わせ不良』が、ある意味環境に適応する為の、合理的な遺伝子のオン・オフによって生じている物なのかは、まだ解りません。 今のところデメリットの方がはるかに多いとしか思えませんが、その中に私たちが気付かない、環境に適応する為の大きなメリットが隠されているのかも知れません。

ヒトの鼻が、犬や野生動物よりどんどん利かなくなっています。 しかし、今、ヒトが野生動物の様に、鼻が利いていたら、生きて生活していく上で、臭くて臭くて、いつもイライラしているでしょうし、耳が聞え過ぎたら、目が見え過ぎたら、味に敏感すぎたら、イライラして生きて行けないかもしれません。
そういう風に適当に生きやすい様に、流れて行っているとも言えるのでは無いでしょうか。
これもある意味、合理的に遺伝子のオン・オフが発生している状況と考えられると思います。

*人間・人・ヒト

前項では遺伝子の問題を取り上げましたが、ここでは人間の進化に関連して顎の事を取り上げてみようと思います。
人間の進化を論ずる時に、生物学上の約束として脊椎動物の中の哺乳類としての動物の一種ととる場合は『ヒト』とし、文化を持ち社会性を持つ動物としてとらえる場合を『人』あるいは『人間』として表します。
さて『ヒト』はいつから『かみ合わせ不良』や『顎関節症』を持つようになったのでしょう。 縄文人や弥生人は『かみ合わせ不良』や『顎関節症』で悩んでいたのでしょうか。 私が今まで見た古代人の頭蓋骨の標本や写真では『かみ合わせ不良』は殆ど無いように思います。 しかし現在まで残っているような骨は、その骨の当人は、丈夫な体であり骨がしっかりしている古代人だった事が考えられるので一概に『かみ合わせ不良』は無かったとは言えませんが、殆ど無かったと思われます。 というのは、歯の丈夫さイコール生きる事の必須条件だったからです。 野獣とそのまま同じとは言えませんが、野生の動物にとっては歯が無い事イコール『死』なのです。 現代の『ヒト』がそのような状況に取り残されたら果たして何%の『ヒト』が生き残って行けるでしょうか?
貴方は生き残れますか?

*他の動物との『歯』の違い  『ヒト』の食性

哺乳類動物は、食性を考えると『歯』の形態が決まってきます。
肉食のライオンやトラは、牙が発達しており、奥歯も尖がった歯が並んでいます。 これは、食物をすり潰すのではなく、噛み切り飲み込むのに適しております。
草食の牛やキリンの歯は、繊維性の食物をすり潰すのに都合の良いように、奥歯が平らになっています。
さて、現在の『ヒト』は、食性で言えば、肉も野菜も食べるという雑食性となっております。 しかし、この雑食性というのは単に現代社会の『人』は、今何でも食べている、という事実を表現しているだけで、本来動物としての『ヒト』は本当に雑食性なのかという疑問が湧きあがって来ています。
進化の過程で考えると、最も近いチンパンジーやゴリラは草食性ですから、本来の『ヒト』は、草食性なのかもしれません。 『ヒト』である『人間 』が、肉を食べるようになり、雑食性の『ヒト』と進化してしまったのでしょうか。 あるいは進化の途中で、度を越す肉食が生活習慣病などの問題を引き起こしているのでしょうか。 またあるいは、『ヒト』は草食性を維持しない限り健康は得られ無いのでしょうか。
『ヒト』の『歯』は発達した臼歯部が特徴である。 臼歯部の発達により穀物などの堅い食物を食べる事が出来るようになりました。 キリンや牛などの草食動物も臼歯部は発達していますが、茎や草などの繊維性が強い食物に適応した臼歯部の形態になっており、『ヒト』の形態とはかなりの違いがあります。
もう一つの他の動物との大きな違いは、『小さく短くなった犬歯』です。
ライオンやトラなどにとって『犬歯』は『牙』なので獲物を捕る大切な武器であり、肉を噛み切る大切な道具です。 草食のゴリラやチンパンジーにもある程度発達した『犬歯』が有りますが、彼らにとっての 『犬歯』は自分を守るための『武器』としての要素が強いと思われます。
それでは『ヒト』の『小さく短くなった犬歯』は何のためにあるいは何故そういう形になったのでしょう。 その答えはよく解りません。
ただ『ヒト』を雑食性と考える人の考え方では『犬歯』は肉を噛み切るための歯だとしています。
歯科医師の私としての考えは、ライオンやトラなどの様に、動物の獲物を捕って食べる肉食獣ほどは発達してないしまた、発達する必要も無いし、やぎや牛のようにまったく平坦な臼歯部でなく、ある程度尖がっていて、ある程度平坦な臼歯部は雑食性を目指して進化して行く『ヒト』の表現系かもしれないと考えるようになっています。 ただそれが35億年という、生物が進化する過程の中で、あまりにも急速に肉食が生活に溶け込みいろいろな問題を引き起こしているのかもしれません。
食性の問題で混乱を避けるために、トラやライオンが肉食と述べましたが、もう少し深く考えると、トラやライオンは獲物である草食動物を捕らえ、まずどこから食べるかという事をしっかり観察して下さい。
するとトラやライオンはまず、草食動物の内臓を消化された植物と共においしそうに食べるのです。 つまり形は違いますが、自分で消化できない植物性の栄養素を、草食動物を通して採っているのです。 つまりある意味、雑食性をかすかに秘めているのです。 飼っているライオンやトラに肉さえ食べさせていれば彼らが満足すると考えるのは大きな間違いになります。

*『小さく短くなった犬歯』 

ここで更に『小さく短くなった犬歯』の問題について述べたいと思います。 というのは、他の動物との違いはいろいろ有りますが、そのなかでも『小さく短くなった犬歯』への変化は『ヒト』の食性の問題や、言葉や発音の問題、そして私がテーマとしている『かみ合わせ不良』の重大な原因となっているからです。
『かみ合わせ不良』の殆どは、本来前方にあるべき『かみ合わせ』が後方にずれてしまうケースが殆どです。 この下顎の後方偏移を可能にしたのが『小さく短くなった犬歯』のおかげなのです。 図の様にトラやチンパンジーは上の『犬歯』が大きくてまるで飛び出しているような錯覚を起こしますが、実は下の『犬歯』の方が小さいけれど前方に出ていて上の『犬歯』が後方に偏移出来ないようにロックした状態になっているのです。
動物が『ヒト』へと進化の過程の中で、四足歩行から二足歩行に進化することで骨格など多くの変化を起こしてきました。 その内の一つ、*輪切りにすると楕円形や円形の胸部や胴体が偏平になってきております。 *つまり脊椎を中心とする重心線に向かって集約されてきているのです。
ここで唯一、重心線に向かわないで、逆に拡大していっている者は頭部なのです。 顔面部、特に下顎はどんどん縮小しているのに比べて、脳の発達と共に頭部は大きくなっているのです。
拡大する頭蓋骨と、後方へ変位する下顎とぶつかる場所が、『顎関節』なのです。 そこでいろいろなトラブルが発生するのです。
また、発達する頭部と、それを支える細くなった首、短くなった胴体、長くなった足、いわゆる『頭でっかち』になり、重心が上方に移動し、バランスが悪くなり、首は重くなる頭部を支えるのに悲鳴を上げ、腰はバランスを保つために無理な荷重を受け止めてボロボロになっていきます。
これが果たして『進化』なのか『退化』なのか、ただの単なる『変化』なのかどの言葉が最も適切なのか悩んでしまいます。
このような事は『ヒト』の歯の、数の減少という変化にも表れて来ています。
年々多くの子供に歯が先天的に欠損している患者が多くなってきています。 特に著しいのは、『親知らず』の欠損です。
あと100年後、いえ50年後に、『ヒト』の口の中に、果たして何本の歯が残っているのでしょうか?このままお菓子や栄養食が氾濫し、噛まずに食事が出来る時代が来ると、歯が無くなり歯医者がいらない『良い時代』まじかに迫っているかもしれません。
果たしてそれが幸せかそれとも

人間を知的動物としての『人』、哺乳類の単なる動物としての『ヒト』を述べてきましたが、目の前にいらっしゃる『かみ合わせ不良』患者さんは、まさに『現代人』でどんなに過去の理屈を振りかざしても『現代人』の治療をやっていくしかないのです。

*『かみ合わせ』とスポーツ

スポーツ選手の『かみ合わせ』を治療する事によって、かなりの好結果がどんどん出てきております。 当然の結果であります。
スポーツには体のバランスがとても大切になってきます。 バランスが壊れているとそのバランスを補う為に、別の筋肉や神経が無理をして補わなければいけません。
さらにその無理を、別の部位で補うようになりドミノ倒し状態になってしまうのです。
『かみ合わせ』と姿勢の深い関係は述べましたが、例えば走る時に、バランスが壊れる事によりいつも片方の足に負担過重となり膝が悪くなったりします。 勿論、『利き足』という問題も出てきますが、どうして『利き足』がその足になったのかという事も大切です。
正常な状態で『利き足』が出来てきたのなら良いのですが、『癖』という項でも述べたように何かのアンバランスを補う為に仕方なく『利き足』になった場合無理に無理を重ねている症例が多く有ります。 ラグビー選手などで、外傷として膝を治療している選手を良く見ますが、たまたま無理をしている膝に普通の力が加わっただけで症状が現れてくる訳です。 膝だけではなく、更に腰や背中にまで影響が及ぶのです。
普通の膝に同じ力が加わっても、外傷としては現れないのです。 さらに悪い事に、悪くなった膝がアンバランスを治療していないために治癒がなかなか得られ無かったり、長引いたりするのです。
例えば、右足にぞうり、左足に下駄を履いて30分走り回ったらどうなるかを想像して下さいい。 ぞっとしますよね。 そこまでは無いのですが、1cmの、左右の足のずれが、毎日の歩行やランニングに及ぼす影響は、計り知れない物があることはお分かりになれると思います。

野球選手の投手の場合も同様の事がいえます。 よく『野球肩』『野球肘』等と言いますが、確かにオーバーユースによる、外傷的な要素は大きな要因です。 しかし、さらに悪くする要素として、姿勢のアンバランスから来る代償的な過重負担が有るのです。

スポーツ選手の治療法

スポーツ選手の治療法も、『かみ合わせ不良』患者さんの治療法と殆ど変わりは有りません。 とにかくバランスを正常にするだけです。
ところで皆さんは、『スポーツ選手は、よく食いしばるので歯がボロボロになってしまう』
と聴かれた事が有ると思います。 確かに10年以上前のスポーツ選手は食いしばる事によって歯がボロボロになっていたかもしれません。 しかしたぶん、今のスポーツ選手そしてこれからのスポーツ選手は、ほとんど噛み締める事が出来ない『かみ合わせ』になっているので、歯がボロボロになる事は無くなると思います。
私は、歯がボロボロになった殆どのスポーツ選手は、歯科治療が大嫌いだったか、歯科治療に行きたくても、練習の都合等で行けなくてほったらかしにし過ぎてボロボロになったと確信しております。
一流のスポーツ選手は、虫歯が出来やすい中学や高校時代に、歯科治療に行く暇が無いくらい、練習に明け暮れています。 みんな、必死で頑張っているのです。 とかく治療が長引く歯科治療は、なかなか続かないのです。 本当に残念な事です。

もしこれからの選手で、歯がボロボロになるとしたら、まず前歯からボロボロになっていくはずです。 有名なスポーツドクターとお話をさせて頂いている時に、その先生が診ている一流投手が、投球する時に前歯が欠けていくそうです。 それはつまり、前歯で噛み締めているからどんどん欠けていくのです。 つまりその選手は、奥歯で噛み締めて投球するよりも、前歯で噛み締めて投球した方が、良い投球が出来るのです。
その投手は治療しませんでしたが、私が治療した投手でも前歯で噛んでいる選手が殆どでした。 そういう選手を『かみ合わせ』治療をすると、バランス良く投球が出来るようになるのです。 というのは本来、前歯では十分に噛み締める事が出来ないのです。 図
歯は、側方からかかる力に大変弱いのです。 地面に刺さっている杭を抜く時を想像して下さい。 横にこね回しながら抜いていくはずです。 それと同じで、歯も側方力に弱いのです。
前歯が弱いから、脳は反射的に『噛み締めるな』という司令を口の周りの筋肉に発信するのです。 しかし投球するために、他の筋肉には、『力を入れろ』という司令を出さなければいけないのです。 そこで脳の中で、不自然な『抑制』と『促進』のインパルスが絡み合って、本来もっている力の発生を出来なくしてしまうのです。 もったいない話です。

選手の『かみ合わせ』を治療すると

さて実際に選手を治療するとどのように変化するのでしょうか。
パワーが2倍も3倍にも上がり、スーパースターになれるのでしょうか?
『必ずなれます』と胸を張って言いたいのですが、残念ながらなかなかそう簡単には行きません。 もしそうであったら、今ごろ私は、野球やテニス、ゴルフのスーパースターになっているはずですね。 勿論、なっていません。 つまり、魔法の治療法ではないのです。
しかし、治療を実行している選手は、かなりの成果を確実に得ています。 だから色んな選手が、私の病院に来てくれるのです。

実際に、『かみ合わせ』治療をすると、『本来その選手が持っている、才能や力をスムーズに発揮させる事が出来る』ようになるのです。
つまり何らかのアンバランスで隠されている、 『選手の力』を100%確実に出す事によって大きな成果を勝ち取って行くのです。
具体的に述べると
投手の変化
1.スピードがでる
2.球が重くなる
3.コントロールが良くなる
4.持久力が出る
5.肩・肘・腰などを故障しにくい

打者の変化
1.スウィングが早くなる
2.スウィングが安定する
3.スウィングのパワーが出る
4.選球眼が良くなる

走りの変化
1.短距離の瞬発力がアップする
2.膝の故障が減る

等、色々のメリットが出てきます。
ラグビーやウエイトリフティング等のパワーをある一定の時間出す競技や、空手、ボクシグ、等の打撃の瞬間にパワーをつぎ込む競技の場合にも『かみ合わせ』治療は、とても有効な手段となっております。

『かみ合わせ』の治療で、多くのスポーツ選手とご縁を頂きました。
華やかな表舞台の陰に、本人の、必死の努力の積み重ねは勿論、指導者やその周りの環境、更に表舞台に立てない同僚の素晴らしい協力に支えられて、一つの競技が成り立っている事を痛感させられます。
レギュラーになって喜ぶ選手の陰で、レギュラーになれなかった選手の悔しさ、それを決める指導者の辛さをしみじみと感じさせられます。
それぞれが、それぞれの役割を十分果たし、青春や人生の一時を燃焼させる、その中で多くの感動をそれぞれが感じ、さらに多くの人に感動を与える。
私は、そんな舞台の脇に居る事が出来て本当に幸せです。

私は、『かみ合わせ』治療を通して、出来るだけ『成果』を勝ち取れるように努力しておりますが、結局、『成果を勝ち取る選手』とは
『良き指導者と、良き環境、そして才能、さらにそれをも上回る本人の強い意志と、努力の積み重ね』
だと確信しております。

ある身体障害者が、言っておられました。
『人間にはそれぞれ能力が与えられています。 普通の人にとって、歩く事は普通の事でしか無いかもしれませんが、私たち身体障害者にとっては、歩く事、話す事、文字を書く事さえ簡単な事ではないのです。 しかし、それに悲観するのではなく、与えられた能力を最大限に生かすことを考えて、毎日精一杯生きています。 』
グランドを駆け回る能力を与えられ、話す事や、文字を書く事を与えられた私たちは、もっともっと、自分を最大限に『生かす』事を、謙虚に考えなければいけない時期だと思います。
ある有名な監督に『レギュラー選手と控え選手の差は素質ですか、努力ですか』と質問したところ、『天性あるいは今まで培われた素質8割、あとは努力と運のような気がします。 』とお答え頂きました。
『努力』で生きてきた私にとっては、大変ショックな答えでた。 私が期待した答えはせめて、『素質5割、努力4割、運1割』でした。 しかし、最高に近いレベル選手の集団では、監督のお答えが正解なのかも知れません。
私が多くの選手と接したなかで感じられた大きな違いは、治療が終了してからの後片付けで強く感じられます。 それは、レギュラー選手はテキパキときれいに後片付けをし、挨拶もハキハキと気持ち良く、私とスタッフを送り出してくれます。 一方、控えの選手はダラダラと後片付けをし、挨拶もそこそこに、なんとなくスカットしない気持ちになって帰る事になります。
それが、『気がきく』か『気がきかない』の違いなのかも知れません。 そして、この違いが天性の素質、小さい時に培った人間力なのかもしれません。
人間が持った可能性と素質をどれだけの選手が100%最高に引き出して、自分の物として活用しきれているかと言うと疑問は残りますが、監督やコーチがどれだけ選手の可能性を見出し、活用し『成果』を勝ち取って行くかだと思います。

私は『かみ合わせ治療』を通して、おおくのスポーツ選手と出逢いを頂き、最高の感動を頂いてきております。
『かみ合わせ治療』をした選手が、球場やグラウンドで、あるいは土俵や大舞台の道場で
活躍し、勝って涙を流し、あるいは負けても涙を流し、皆に多くの感動を与えている姿に
さらに感動を頂いております。
とかく現代の若者は、批判の対象になりがちですが、素晴らしい目標を持った若者は、まだまだ底知れぬパワーを内に秘めている事を確信しました。 そのパワーをどの方向に向けて行くかによって、日本の未来が大きく変化すると痛感させられております。

*歯科の宿命 

歯牙は硬組織です。 つまり物体であり、人体の何もあつかっていない歯牙を少しでも削ると、二度とは元に戻りません。 どんなに素晴らしい技術を持った歯科医師であり技工士でも、二度とは元に戻りません。
このように『二度とは元に戻らない』宿命を持った治療をしているのです。
『かみ合わせ不良』で苦しんでいる患者さんは『??歯科で削られてこんなになりました。 元に戻して下さい。 』と訴えられますが、二度とは元には戻らないのです。
『かみ合わせ不良』患者さんは、自分の『かみ合わせ不良』に全く気付かずに今まで来ていました。 それが慣れきって、普通と思い込んでいたのです。 言ってみれば、時限爆弾をいつも持って生活をしていたようなものです。 何故そう言えるかと言うと、私の歯科医院で治療する『かみ合わせ不良』患者さんの約50%以上は、歯科治療を殆どしていないか、歯科治療をしてかなりの年月が過ぎているからです。
そこでたまたま『??歯科医院』で爆発しただけなのです。 もし、『??歯科医院』だけが本当に悪いなら、『??歯科医院』に行っている患者さんは全て『かみ合わせ不良』患者さんになるわけです。
私は多くの『かみ合わせ不良』患者さんを看させて頂いております。 その全てが元々『かみ合わせ不良』患者さんなのです。 たまたま、『??歯科医院』で症状が爆発しただけなのです。 とは言っても、もう少し上手に補綴物を入れてほしいと思った歯科医師もいらっしゃいますが、歯を悪くしたのも、その『??歯科医院』を選んで行ったのも、口を開けて治療を受けたのも、そして補綴物を入れられたのも他ならぬ患者さん御自身なのです。
とにかく、患者さんにとっても、歯科医師とっても、不幸な現実なのです。
ある程度元の状態にしても、その患者さんにとってはもう既に自分の『かみ合わせ不良』に気付いてしまったので、元の状態に戻ったとは感じられないのです。

*貴方も、なれます『かみ合わせ不良患者』さんに

『かみ合わせ不良』の人と、『かみ合わせ不良患者』さんとは、ここでは区別して下さい。 というのは、私が看る限り、99%以上の人が何らかの『かみ合わせ不良』なのです。
99%以上と言うと100%ではないかと言う事になる訳ですが、逆に100%『かみ合わせ良』の人を看た事が有りません。 しかし、100%全て『かみ合わせ不良』と言いきれるほど自信が無いと言う事です。
すると『かみ合わせ不良』だけで過ごす人と、『かみ合わせ不良患者』さんで過ごす人との違いは何なのでしょう?
第一に『かみ合わせ不良』の程度の差が有ります。 しかし、ほとんど同じぐらいの『かみ合わせ不良』を持っていても、症状が出る人と、出ない人がいらっしゃいます。 それは何なのでしょう。
まず大きな要素は、その方の性格です。 『かみ合わせ不良患者』は皆さん殆ど真面目です。 そしてその殆どが、度を越した真面目さなのです。 『過ぎたるは、及ばざるが如し』なのです。
次の要素は、ストレスの解消を、上手に出来ない方が多くおられます。 ストレスを内に溜めて、爆発するまで無理な我慢をされる方々が多いのです。
真面目でストレスを内に溜めやすい方は、殆どが自分を押し込める方で、治療の際、合わない補綴物を入れられても我慢される方で、歯科医師に言う事をしない方なのです。
どうにか我慢出来る程度なら良いのですが、我慢に我慢を重ねて最後に爆発した時は、もう誰の意見も現在の状況も冷静に判断できない状況になっているのです。
真面目とは反対になるかもしれませんが、ある意味自分の思いどうりにならないとかなりのストレスとなる方です。 いわゆる『わがまま』な方です。
その方の体力的要素も重要な問題のなって来ます。
その方が子供の頃に、また学生時代に、そして現在どんなスポーツをしていたか、あるいはしているかに大きく影響されます。
適度なスポーツをされているかたは、筋肉を適度に運動させて、血液の循環を促し生理的にリラックスさせてくれます。 さらに精神的にも適度の快い刺激となり良い事ばかりです。
その他にも色々有りますが、一言で言えば『淋しい人』と言う事になるかもしれません。
97年、ダイアナさんの事故死の陰に隠れて、ひっそりと天国に行かれたマザー・テレサさんは、日本に来られた時におっしゃられていました。
『日本は物質的には豊かですが、心は飢えています。』と。
まさに、心・愛に飢えた方々が『かみ合わせ不良患者』になり易いと言う事です。

患者さんの声

ここでは患者さんから頂いた、お手紙を紹介させて頂きます。

【 Sさん   53歳   女性  】 幸せとは何

子供たちに手が掛からなくなり、少しでも自分の時間を持ちたいと思った矢先でした。
三年前の三月三十日、子供を県外の大学に送り出した翌日、朝十時ごろ洗濯物を干している時に倒れて、救急車で病院に運ばれまして、一ヶ月入院しました。
血圧が220だったそうです。 病名は『自律神経失調症、疲れ、更年期障害、ストレス』。
その後も安定剤、睡眠剤を常備服用していましたが、また昨年倒れ、二ヶ月入院、退院しましてもなかなか思うように気分が優れず、思考力が薄れ、耳鳴り、めまい、不眠、手先のしびれ、腰痛、目の痛み、眼圧が高い、肩凝り、頭痛
もう身体全体がメチャメチャでした。
病院も、内科、整骨医院、耳鼻科、眼科、ありとあらゆる所に受診致しました。
途中、何回も思いました。 『もう私は死ぬしか無い・・・・』と。
最後は、苦しい時の神頼みでした。
その間、自分の人生を振り返り、この時ほど悲しい思いをした事は有りません。
今まで、会社に、子育てに、その他色々と頑張り抜いてきて、さて、これから楽しい人生を送ろうと思っていたのに、『苦しいままに、私は終わってしまうのでは・・・・』。
それはそれは悲惨でした。

ふと、数年前にあるスーパーで友人の○○さんにお会いしまして、かみ合わせの話を聞きました。 と言いますのは、今年五月頃より左耳後が、食事の度にきしむ様な変な感じがし
食べにくくなりました。
それで友人の○○さんと立ち話をした事を思い出し、以前から行ってみようと思った歯科に、やっと行く決心がつきました。 悪い歯が何本も有るのも承知でした。
色々と先生に話を聞き、かみ合わせを治療致しました。 一度、テレビ等でも聞いた事は有りました。 でも、半信半疑でした。
治療の段階から、安定剤が一つ一つ少なくなって済むようになりました。 もちろん、治療中でも、安定剤、発作の薬はいつもバッグの中に入れていました。
『歯の治療も出来るだろうか?』と、『途中でひっくり返るのでは?』と、薬もちゃんと服用して行っていました。
始めてスプリントを付けた時には、不自由な思いをしましたが、やっぱりスプリントを付けた方が頭がスッキリするのです。 心療内科に二週間に一回通っているので、その事を話したら、『かみ合わせが悪くて、めまい、その他色んな事が有るので、良い歯科にめぐり逢えて良かったね』と・・・・。
また、整骨医院でも同じような事を言われました。
私にもはっきり判りませんが、今のところ一日四回服用していた安定剤が、ほとんど飲まなくて済むようになりました。
あんなに悪かった身体です。 まだまだ色々有りますが、少し私にも希望が湧いてまいりました。 明かりが見えてきました。 。
『なるべく一日中付けないように』『休む時にだけ』と言われたのですが、食事の時とお守りに、いつも手離せません。 一寸でも気分が悪くなったら、薬の変わりにスプリントで
カチッと噛むと頭がスーとして来ます。 薬の副作用も無く、まさに一石二鳥です。
最後に、幸せとは、健康でいて楽しい人生が送れるのです。 今から長い先生とのお付き合いになると思います。 家族の為、自分の為にも、一生懸命かみ合わせと仲良くして行こうと思っております。
ありがとうございました。

このお手紙を選んだのは、最も典型的な患者さんでいらっしゃるからです。
全ての患者さんが、この様に深刻な状態では有りません。 また治療が効果的だと言う訳では有りません。 しかし、私も知らないどこかでこの様に深刻に悩んでおられる方も沢山おられるのではないかと、大変心配です。 また、何かのきっかけで、いつでもこの患者さんのような状態にも成りうるのです。

Sさんから学ぶ事

一般医科との関連
まず、『かみ合わせ不良』患者さんの殆どは、多くの病院を受診され、『自律神経失調症』、『更年期障害』『ストレス』『疲れ』『メヌエール症候群』等と言うおきまりの病名を先生に告げられていらっしゃいます。 そしておきまりの安定剤に、催眠導入剤なのです。
私も安定剤を処方され、服用した事が有りますが、めまいが主訴の治療で、もっとめまいがひどくなったのには困ってしまいました。
次に『もう死ぬしか無い』です。
ここまで追いつめられる前に勿論色んな民間療法にも行かれたはずです。 それでもだめだったから、『死』を考える状況になっていくのです。 最近色んな原因で、自殺者が増加しております。 96年は25000人近くの人が自殺で亡くなられています。 この数は、交通事故で亡くなられる方よりはるかに多くなっています。 まさに交通戦争ならぬ『自殺戦争』と言えるかも知れません。
ここで単に25000人と言うのは亡くなった方だけの数字で自殺をした人はこの数字の約4倍、つまり10万人はいらっしゃるという事です。
自らの大切な命を弄ぶ、そんな時代が現在なのかも知れません。 大切な命と解っていても、自殺に走らされる現代社会の問題提起がされているのだと思います。

次に『最後は神頼み』です。
本当に悩まれた方は全てと言って良いほど、『宗教』あるいは、『超科学』的なものにお金を投資されておられます。
私は、『宗教』あるいは、『超科学』的なものを全く否定する事はしません。
実際、私自身も、そのような体験もしましたし、『宗教』として『神道』を持っています。
最近はオオム事件で、カルト的な新興宗教は少なくなって来ているといっても、信者さんは、マスコミに叩かれても、『うちの教団は違うと』思い込んでいます。 本当に『幸せ』なことです。
今、日本では『宗教』と言うと、なんとなくう散臭いものとして受け止められています。
私も、数年前までは、特にその傾向が強い人間でした。
しかし、色々な体験や、多くの素晴らしい宗教を実践されている方々と、素晴らしいご縁を頂いて『宗教』と言うものを深く考えさせられました。
有名な作家の司馬遼太郎さんは『人間は、ほっておくと、どんどん野性化して行くので、それを止めるのに、有効な方法である』と述べられ『飼い慣らし宗教論』的な事を述べられておられました。
名古屋で病院をされている、山下先生が『宗教とは一種の学校みたいなもので、山登りに例えると、頂上は一つで、どの道から登るかの違いです。 』と、おっしゃられていたのを、強く感銘を受けました。
『頂上』とは、それぞれの人間にとっての、幸せと、その集合である、皆の幸せだと思います。 そして『学校』つまり『宗教』は、それぞれの方々にとって、何に一番ご縁が有ったかだと思います。
多くの方は『宗教』に、『救い』や『安らぎ』を求めて関係し始める傾向が強いと思いますが、とかく『救い』や『安らぎ』を求めて選んだ宗教は得てして間違った『宗教』に関係する事が多くあります。
何故、自分は『宗教』をするのか、したいのかをある程度明確にしておかないと、間違った方向に陥りやすいと思います。 そういう時に限って、心にスキが出来やすいのです。
先ほど『自殺』の事について述べさせて頂きましたが、『自殺』するよりも『宗教』を選んで『救い』や『安らぎ』を得た方が良いとは思うのですが、その前に何故、『自殺』や『宗教』に『救い』や『安らぎ』を求め無ければいけないか、という問題を真剣に考えなければいけない時期に来ていると思います。
そこには、希薄になった現代社会の『人間関係』が、大きな問題を呈していると思います。
何故、『救い』や『安らぎ』を、家族の間で、友人や先輩に求められないのでしょうか。
そういう風になってしまった、社会環境や構造をそろそろ真剣に考え、変革していかなければいけない時期だと心から痛感します。

過去において、現在においても『宗教』は政治に大きく影響され、悪い面で利用されて来ました。 良い悪い、好き嫌いは別にして、日本人は『宗教』をもっと学んでおかなければ世界市民として、いつも『蚊帳の外』に置かれる民族に成り下がってしまいます。
よく言われる事に『外国人とは、宗教の話は絶対にしてはいけない』と言われます。
とんでもない事です。 外国の人たちは、殆どがその方の『宗教』によって、しきたりや風習等の、生活や文化を創って生きていっているのです。 最近、海外でも『宗教』離れが進んでいるとは言っても、実際に『宗教』の名の元に、民族対立が起こり、いつも世界の何処かで戦争が行われているのです。

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