ホリスティックとは
うさぎ
ホリスティック医学
『かみ合わせ治療』を行って10年を超えますが、患者さんの『かみ合わせ』だけを診ていったら、大間違いをすることがあります。 『心と体』、さらに最近のWHOの健康の定義の中に盛り込まれた『霊性・魂』までで含めて患者さんを診ていかなければ治療は成功しません。 そういう価値観で、私は日本ホリスティック医学協会に所属し、常任理事をさせていただいております。 医療関係者だけの会ではなく、患者さんと共に医学、医療、健康、さらに『生きる』事を学んで行く素晴らしい方々の集まりです。 是非一度連絡を取ってみてください。
歯科治療とホリステイック医学
波多江 | 『今回はホリステイック医学協会の10周年にあたって、 素晴らしい先生方とこのような座談会の機会を持つ事が出来て、大変嬉しく思います。 早速ですが、まず歯科治療のホリステイック医学における役割について、先生方のご意見をお聞かせ下さい。』 |
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角岡 | 『『医食同源』と言う言葉が有るように、歯科治療は健康の大元をになうやりがいがある職業として 誇りを持って毎日治療にあたっております。 毎日三度いただく食事を、いかに美味しくかつ効率的に栄養として健康のお役に立てるかということです。 口は動物の生命を維持するエネルギー補給の窓口ですね。』 |
木尾 | 『そうですね、まず大切な役割として『食』の問題があげられますね。 それと共に人間として他の動物には無い発音の問題や、今はやりの審美性の問題にも大変重要な役割を果たしていますね。 前歯が無いと発音が上手く行かないし何と言っても顔の大切な構成要素の歯が無かったり、 歯並びがひどいと審美性がかなり劣ってきますね。 言葉が上手くしゃべれなかったり、見た目が悪い事によってその方の性格に大きな影響を与え、 しいてはその方の人生にまで大きく左右する事にもなりますね。』 |
角岡 | 『食の問題や審美性の問題と共に最近特に重要な問題になってきているのが『かみ合わせ不良』と 頭痛・肩凝り・耳鳴り、更に不眠や自律神経失調症などとの関連です。 『かみ合わせ不良』を治療する事によって、多くの不定愁訴が改善されるのは認められています』 |
波多江 | 『私も多くの『かみ合わせ不良』患者さんを治療してきましたが、 本当にこんな私でも少しは世の中のお役に立てているなと実感出来ますね。 『たかが歯、されど歯』『たかがかみ合わせ、されどかみ合わせ』と言う事ですね。 38億年の生命の起源はまずはエネルギー補給つまり、お口からと言う事ですからね。 かつてエネルギー補給の役割だけをしていた口が多くの機能をもち役割を持つ事によって 歯科治療の役割も大変重要になってきた訳ですね。』 |
歯科治療とQOL・QOD
波多江 | 『木尾先生から人生という言葉が出てきましたが、 人生の質あるいは生の質QOL・死の質QODについてご意見をお聞かせ下さい』 |
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角岡 | 『先ほどからお話しているように、健康と歯科治療は切っても切れない結びつきが有りますし、 言葉や審美性の問題は社会生活の中では 無くてはならない大切な要素です。 どれ一つも欠く事ができないものなのです。』 |
木尾 | 『まさに歯科治療は生活そのものを充実させ快適な環境を創造する大切なパートを 担っている訳なのです。直接『死』には結びつく事はあまり有りませんが、 その方のお口の健康を高め維持する事によって、生活の質を高め、 人生の質を高めQOLを高める事が出来、人生の終末である死の質をさらに高める事が出来ると 信じております。』 |
波多江 | 『私もよく訪問歯科治療を行っていますが、きれいな歯で、 良くかめる入れ歯は最後まで患者さんが望まれる事ですね。 人間色々な欲を持っていますが、最後に残るのは、食欲ではないですかね。』 |
角岡 | 『私も訪問歯科治療で、多くの方に接してきましたが、ある時患者さんがお亡くなりになられて、 ご親族の方に『先生に作って頂いた入れ歯のおかげで大変きれいな死に顔で本人も大変喜んだ事でしょう』 と感謝された事が有りますね。死という場面にまでお手伝いで来ている事を大変嬉しく思いました。』 |
木尾 | 『私も奇麗なしっかり噛める入れ歯を作ってさし上げる事によって、性格が大変明るくなり、 食事も美味しく食べれるようになって、人生が大きくよい方向に向かった患者さんを経験しております。 そういう時は歯医者冥利に尽きるというか、歯医者をしていて良かったなと実感する瞬間ですね。』 |
『かみ合わせ不良』と不定愁訴
波多江 | 『『かみ合わせ不良』と頭痛・肩凝り・耳鳴り、更に不眠や自律神経失調症などとの関連について話を進めたいと思います。 私自身もかつて『かみ合わせ不良』患者の一人で、今でもスプリント (マウスピ-ス)を付けています。 今ではこれ無しに生きてはいけません。 もともと有った頭痛・肩凝りは殆ど無くなり、最大の問題点であっためまいも出なくなりました。 めまいで倒れた時は最大のピンチでした。当然、色々な一般医科を受診し、『メヌエール症候群でしょう。』とか 『 疲れでしょう』とか診断されて、投薬で治療されました。 さしあたり収まって落ち着いたのですが、次の年にもめまいで倒れたのです。 自分自身が歯科医師でありながら、まさか自分の『かみ合わせ不良』には気付かなかったのです。』 |
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木尾 | 『波多江先生の場合は、自分自身が歯科医師だったのが、幸運でしたね。 世の中には、本当の原因がわからなくて、本当に苦しんでおられる患者さんが大変多くおられますね。 10年以上も鎮痛剤を飲みつづけてある患者さんや、自律神経失調症で苦しんで、さらに心身症から ノイローゼにまで進行した方もたくさんおられますね。 そんな患者さんが治ってこられると、本当に嬉しいですね。』 |
角岡 | 『私の歯科医院にも沢山こられます。そういう苦しんでおられる患者さんは、よくお泣きになられるんですね。 初診の時は、患者さんが今こんなに苦しいという事を長い時間お話になりながら、お泣きになられますね。 まさに苦悩の涙ですね。次にお泣きになる時は、症状が良くなって、安心感と嬉しさと、 これまでのつらい日々を振り返っての複雑な心境ですね。この涙は、復活と希望の涙ですね。』 |
波多江 | 『私自身、めまいで苦しんだ訳で、これは、苦しんだ人にしか解らない色々な心境が有りますね。 ちょうど男性が、子供を産んだ事も無いのに、出産時の母親に頑張れ頑張れと、さも出産の痛みを解っているかのように 振る舞っているかのようですね。ある治癒した患者さんは、なかなか良くならない患者さんの、相談相手として、 カウンセラーみたいな事をして頂いております。 苦しんでいる患者さんは、苦しんだ事のある患者さんのアドバイスが一番心に伝わって来るのですね。』 |
木尾 | 『『かみ合わせ』治療だけではどうしようもない患者さんがおられるのも事実ですね。 そういう時に同じ悩みを克服した患者さんが 相談になってくれるというのは大変良い事ですね。 現代人は心の問題を抱えながら、色んな症状が現れているという事ですね。』 |
角岡 | 『私達歯科医師は歯科の事しか出来ませんので、整形外科医や内科医、 耳鼻科医や整体の先生方と協力をして、苦しんでいる患者さんの健康に当たらなければいけませんね。』 |
木尾 | 『とことん悩んでいる殆どの方は、自殺と言う事を考えている場合が多いのです。 そういう患者さんとは、とことんお話をしないとなかなか納得して治療に入れません。 こんな治療をしていると、自然と哲学的に『生や死、人生、病気』などを真剣に考えるようになりましたね。』 |
『かみ合わせ不良』と一般医科との関連
波多江 | 『さて不定愁訴を持つ患者さんと接していると、歯科だけではなく 一般医科との密接な関係が重要になってきますね。 患者さんを総合的につまりホリステイックに診ていかなければ、 なかなか解決しない問題が多いですね。』 |
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木尾 | 『そうですね。頭痛一つをとっても、血管性の重篤な結果を引きおこす場合も有るし、 肩凝りの問題も『かみ合わせ不良』は確かに有りますが、もう既に骨格まで変形して、 『かみ合わせ治療』だけではどうにもならない場合も多くありますね。 そういう時は、整形外科の先生や整体の先生と協力して診て行かないと 患者さんに不必要な時間を取らせてしまいますね。』 |
角岡 | 『耳鼻科関連の疾患は、『かみ合わせ不良』の原因に最も成りやすいので、もっと密接に交流しないといけないですね。 耳鼻科関連の疾患が無くなる事によって『かみ合わせ不良』の半分は無くなるのではないでしょうかね。』 |
波多江 | 『皆さんもそうでしょうが、一般医科のご紹介で私の歯科医院に来院される患者さんが 増えてきましたね。少しづつ、一般医科の先生方にも、『かみ合わせ治療』の大切さを ご理解して頂けているようになった気がします。』 |
木尾 | 『そうですね。しかし、一般医科の先生方にご理解頂いても今度は歯科医師が 『かみ合わせ不良』患者さんの治療を十分に出来ない場合が有る事が問題になってきておりますね。 この事は歯科医師側の問題で、もっと歯科医師自身が学ばないといけないですね。』 |
かみ合わせ治療の現状
波多江 | 『さて実際の『かみ合わせ治療』の現状と言う事について話を進めていこうと思います。 私達3人はみんな顎の正確な動きを計測し、 筋電図で患者さんの筋肉が最もリラックスした顎の位置を求める コンピューターで『かみ合わせ治療』を行っていて、かなりの良い成果を上げていますね。 もし、このコンピューターが無かったらと思うとゾーッとしますね。』 |
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角岡 | 『そうですね。顎運動計測コンピューターが無かったら、 今のような高い治癒率を獲る事は出来なかったと思います。 使い始めてもう10年になろうとしておりますが、その間コンピューターの発達によって、 3台も買い換える事になってしまいましたね。大変正確になり、 スピードも使いやすさも良くなったのですが、 1つのコンピューターが、高級車1台分のコストは困りますね。』 |
木尾 | 『ここにいる3人とも、同じ悩みの持ち主ですね。しかし患者さんの健康を考えると安い物ですね。 コンピューターができる前までは、歯科医師の『感』や『熟練度』だけに頼っていた『かみ合わせ治療』が 科学的に客観的に進める事が出 来るようになりましたね。当然コンピューターのデーターさえあれば 治療が出来るというわけでは有りませんが、『熟練度』とデーターが有れば、鬼に金棒ですね。』 |
波多江 | 『まさに『かみ合わせ治療』が『感』の世界から『科学』の世界も 兼ね備え出したという事ですね。 以前までは、『とにかくここで噛んで様子を見ましょう 。』としか患者さんに説明できなかった事が、 コンピューターのデーターを見せる事が出来るようになって、納得行くように説明できる事が大変良い結果に つながっていますね。』 |
角岡 | 『そうですね。患者さんの理解や納得度が大きく治療の結果を左右する事が多くありますね。 どんなに正確に一生懸命治療しても、患者さんが納得できなかったり、乗り気でなかったりすると、 なかなか上手く行かない場合も有りますね。』 |
木尾 | 『大変こまるケースは、他の歯科医院で治療をされてこられて、 患者さん自身が『かみ合わせ治療は、 1度したので、私は、かみ合わせ治療では治らない』と思い込まれているケースです。 噛むポジションも違うのに、 治療する前から不信感を持っておられるとどうしようも有りませんね。 始めて『かみ合わせ治療』をする歯科医師には、 大変責任が有るという事ですね。患者さんにしてみれば解らないので、 まさに運良く良い先生に『ご縁』が有るか無いかの問題ですね。』 |
『ご縁』に感謝
波多江 | 『『ご縁』と言う言葉が木尾先生から出ましたが、最近、私自身、 素晴らしい不思議な『ご縁』を沢山頂いて 最高に幸せなんです。考えてみると、『かみ合わせ治療』をするようになって、この3人が、 2年前に亡くなられた『トッチャン』こと『鶴見先生』とのご縁が有ったのも不思議な物ですね。』 |
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角岡 | 『そうですね。『鶴見先生』との出逢いが無かったら、 私達はここまで『かみ合わせ治療』を上手に出来て なかったですね。お亡くなりになるまで辞書を片手にコンピューターに向かわれて、 私達の為に資料作りをして頂きましたね。 本当に今でも『やっとるかねっ』て電話がかかってきそうです。』 |
木尾 | 『私は病院が近かったので、夜遅くまで手取り足取り教えて頂きました。 本当に『鶴見先生』がおられたおかげで、 今の私が有るような気がします。そして『鶴見先生』のおかげで、今私達を通じて、 多くの『かみ合わせ不良』患者さんが健康を取り戻せていると思います。』 |
波多江 | 『今回の、シンポジュウムのテーマの一つである『死』という観点から考えると、 『鶴見先生』は亡くなられても、 私達の中で生きておられ、そして私達を通じて患者さんの健康の中に生きておられるという事ですね。 短い時間では有りましたが、大変貴重なお話を伺う事が出来ました。 今私達は、何かの『ご縁』で歯科医師となり活躍しておりますが、 れぞれ今日まで色んな方々にお世話になった事を改めて感謝して、 私達自信も社会の何かのお役に立てるように、日々学んで行きましょう。 今日は大変ありがとうございました。』 |
角岡 秀明 かどおか歯科医院
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木尾 泰久 このお歯科医院
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波多江 正樹 はたえ歯科医院
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